ITブームが去り、成長から安定市場となる
世界でも日本でもソフトウェア業界は、パソコンOS(基本ソフト)の世界標準となっている「Windows」の米マイクロソフトの存在なしには語れません。
マイクロソフトは周知のように、全米トップクラスの資産家となったビル・ゲイツ会長率いるベンチャー企業として1975年に誕生しました。米シアトルに本社を構え、IBMと共同開発した「MS−DOS」を1981年に発表。1995年8月には「Windows95」を世界の英語圏で、同11月には日本で発売し爆発的なパソコンブームを引き起こしました。その後、「Windows」がさらに改良が重ねられていることは周知の通りです。
日本法人の動向を見ると、正式な設立は1986年2月。1987年度の売上高はわずか19億円の会社でしたが、現在は2000億円以上の売上高があると推測されます。(注・マイクロソフトは本社の意向により個々の子会社の売上高非公開)。日本法人の戦略は、企業のIT戦略全体をサポートし、電子商取引(EC)などを円滑に進めることです。従業員数は約1000人ですが、多数の派遣社員がコールセンターやテクニカルサービスを担当しています。
マイクロソフトに次いで注目されるのは、米オラクルです。データベースソフト大手のオラクルは、異なる機種間での互換性に優れるリレーショナル・データベース管理システム(RDBMS)の「Oracle
」により、世界標準の地位を確立し、財務会計、生産管理、人事管理などに柔軟に対応するデータベースソフトとして80年代から90年代に飛躍的に業績を伸ばしました。
日本法人は1985年10月に設立され、2000年4月に東証に上場していますが、売上高には一時の勢いがなくなりました。2001年5月期決算の877
億円をピークに、減少傾向です。また、同社は勧葉植物や水槽などが社内に設置され、“いやし系”の職場環境でも知られています。なお、日本オラクルが出資する会社としてミラクル・リナックスが注目されます。同社は、「Linux」の普及目的に設立された会社で、日本電気らも出資しています。
米国最大のLANソフト企業のノベルは、1990年3月にソフトバンクとの合弁で日本法人を設立し、「ネットウェア」「NDS」でパソコンをネットワークに有機的に結び付けたネットワークOSのトップ企業として広く知られます。現在、株主構成はノベル67%、ソフトバンク15.8%のほか、キヤノン、ソニー、東芝、NEC、富士通が合わせて17.1%の株式を所有しています。
ERP(企業の基幹系業務システムを統合化したパッケージ)ソフトの最大手独SAPの日本法人であるSAPジャパンは、従業員数1200人規模にもなり、外資系ソフトウェア企業としては大手になってきました。ネットワークソリューションを提供するコンピュータ・アソシエイツも従業員400
人クラスです。
このほか情報セキュリティのインターネットセキュリティシステムズと米GM系列のEDSが親会社であるジャパンシステムが東証に上場しています。また、日本アイ・ビー・エムグループとしてエンサイクロソフト、エヌエスアンドアイ・システムサービス(持ち株比率日本IBM50%、新日鉄ソリューションズ50%)、キャダムシステムなどがあります。
こうした外資系ソフトウェア企業の戦略を見ると、一つには、法人相手の新規性の高い大型案件のシステム作りを目指しているといえます。具体的には、EC(電子商取引)を行う上でのプラットフォーム作りやLANなどネットワークシステムの効率化等々です。
各社の仕事の形態を見ると、企画提案型のコンサルティング業務の比重が増しています。新しいビジネスモデルの創造をサポートしていく戦略です。ただし、正社員の割合は少なく、外部の派遣社員を大量に雇用しているケースが目立ちます。たんなるテクニカルサポートやメンテナンス、コールセンター業務は、派遣社員の担当としている企業も多いです。
今後のソフト市場の展開を考えると、情報セキュリティ、ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)、アウトソーシング(業務の外部委託)がキーワードとなるでしょう。情報セキュリティはパソコンなどへのコンピュータウイルスの侵害を防いだり、。EC上でのパスワードの秘密性維持など信頼性の向上を目指します。ASPは「アプリケーション(業務ソフト)をネットワーク経由でレンタルするサービス」です。業界で活躍するには、情報処理技術関係の資格試験を取得するといいでしょう。
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積極的に新卒者や転職者を採用している。ただし、スペシャリストとたんなるテクニカルサポート職に分かれるといえる。専門性を高めるためには、1社だけでなく数社を経験するといい。 |
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